鍵修理のコツとトリック

鍵交換
  • なぜ店によって値段や対応が違うのか

    鍵交換

    同じディンプルキーの合鍵を作ろうとしているのに、ある店では「三千円ですぐに作れます」と言われ、別の店では「これは登録制なので、メーカー取り寄せになり、八千円で三週間かかります」と言われ、また別の店では「申し訳ありませんが、うちでは作れません」と、きっぱり断られてしまった。なぜ、店によって、これほどまでに、値段や、納期、そして、対応そのものが、異なるのでしょうか。その背景には、それぞれの店が持つ「設備(キーマシン)」と、「立場(メーカーとの関係性)」、そして「プロとしての倫理観」という、三つの、明確な違いが存在するのです。まず、「設備」の違いです。ディンプルキーの複製には、高精度な専用のキーマシンが必要です。このマシンの性能や、対応できるブランクキーの種類は、店によって大きく異なります。最新のコンピューターマシンを備え、多種多様なブランクキーを在庫している店であれば、多くのディンプルキーに、その場で対応できます。しかし、旧式のマシンしか持っていなかったり、在庫が少なかったりする店では、物理的に、作製が不可能なのです。次に、「立場」の違いです。メーカーと正式な契約を結んでいる「正規代理店」であれば、セキュリティカードが必要な、登録制の鍵であっても、メーカーに、純正キーを発注することができます。しかし、そうした契約を結んでいない、一般的な鍵屋では、メーカーへの発注ルートを持たないため、「作れません」と、断らざるを得ないのです。そして、最も重要なのが、「プロとしての倫理観」の違いです。例えば、あなたが、一度コピーされた「合鍵」を、元にして、もう一本、合鍵を作ってほしい、と依頼したとします。誠実な店であれば、必ず、「合鍵から作ると、精度が落ちて、鍵穴を傷める原因になりますよ」と、そのリスクを説明してくれるはずです。しかし、中には、そうしたリスクを説明せずに、安易に作製を引き受けてしまう店も、存在するかもしれません。値段や、作れる、作れない、という結果だけでなく、その店の、鍵と、顧客に対する「姿勢」そのものにも、注意を払うこと。それが、信頼できるパートナーを見つけるための、重要な鍵となるのです。