それは平日の朝、いつものように出勤しようと玄関のドアノブに手をかけ、鍵を閉めようとした時のことでした。鍵穴にキーを差し込み、回そうとしたのですが、妙に硬いのです。あれ、おかしいなと思いつつ、何度か角度を変えたり、少し力を込めてみたりしましたが、うんともすんとも言いません。完全に固着してしまったような感覚でした。幸い、家の中からだったので閉め出される心配はありませんでしたが、このままでは外出もできません。遅刻は確定だなと観念し、まずは冷静になろうと深呼吸しました。長年使ってきた鍵だったので、そろそろ寿命が来ていたのかもしれません。とりあえず、インターネットで近所の鍵屋さんを検索し、状況を説明して来てもらうことにしました。電話口の担当者は落ち着いた様子で、いくつか質問をしてきました。鍵の種類、建物の種類、おおよその築年数などです。そして、30分から1時間ほどで伺えるとのこと。待っている間は、鍵が壊れるなんて思ってもみなかったので、本当に焦りました。もし外出先でこうなっていたらと思うと、ぞっとします。しばらくすると、作業服を着た鍵屋さんが到着しました。まずは状況を確認してもらい、やはりキーシリンダー内部の摩耗が進んでおり、交換が必要だという診断でした。いくつかの交換用シリンダーのサンプルを見せてもらい、それぞれの特徴や防犯性能、価格について丁寧に説明を受けました。以前から防犯性の高い鍵に興味があったので、この機会にピッキングに強いとされるディンプルキータイプのものを選ぶことにしました。作業自体は非常に手際よく、古いシリンダーを取り外し、新しいシリンダーを取り付けるまで、30分もかからなかったと思います。作業員の方は、取り付け後にもドアの開閉や施錠解錠の動作を何度も確認し、新しい鍵の使い方や注意点についても説明してくれました。費用は、部品代と工賃、出張費を合わせて予想していた範囲内でした。もちろん安くはありませんでしたが、これで日々の安心感が得られるなら納得です。新しい鍵はスムーズに回り、カチッという確かな手応えがあります。突然のトラブルには驚きましたが、結果的に防犯性能も向上し、怪我の功名と言えるかもしれません。この経験を通して、鍵も消耗品であり、定期的なメンテナンスや交換の必要性を痛感しました。
ある日突然鍵が回らない玄関キーシリンダー交換実体験
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