我が家に長年鎮座していた古い手提げではない、据え置き型の耐火金庫。祖父の代からあったものらしく、ダイヤル番号も分からなくなり、ここ十年以上はただの重たい置物と化していました。部屋の模様替えを機に、ついにこの巨大な鉄塊を処分することを決意したのです。最初は甘く考えていました。粗大ゴミで出せるだろう、と。しかし、市役所に問い合わせてみると、あっさり「金庫は処理困難物なので回収できません。専門業者に依頼してください」との回答。まあ、そうだろうなとは思っていましたが、現実を突きつけられると気が重くなります。次に考えたのは、自分でどうにか運び出せないかということ。しかし、びくともしません。おそらく百キロは優に超えているでしょう。腰を痛めるのが関の山だと悟り、早々に自力での搬出は諦めました。こうなると、頼れるのは専門業者のみ。インターネットで「金庫 廃棄」「金庫 回収」と検索し、いくつかの業者を見つけました。各社のウェブサイトを見て、料金体系やサービス内容を確認。数社に電話やメールで問い合わせ、金庫のサイズ(高さ、幅、奥行き)、設置場所(一階の和室)、ダイヤル不明で開かない状態であることを伝え、見積もりを依頼しました。返ってきた見積もり額は、業者によって数万円の幅がありました。安さだけで選ぶのも不安だったので、電話での対応が丁寧で、見積もり内容も明瞭だった業者に最終的に決めました。作業当日、二人の作業員の方が来てくれました。さすがプロ、専用の道具を使い、床や壁を傷つけないよう慎重に養生しながら、あっという間に金庫を運び出してくれました。開かない金庫の解錠もその場で行い、中が空であることを確認してからトラックに積み込みました。費用は決して安くはありませんでしたが、あの重労働と処分にかかる手間、そして何よりプロの仕事ぶりを見ると、納得のいく金額でした。部屋から金庫がなくなった時の解放感は格別でした。もっと早く決断すればよかったと心から思いました。もし金庫の処分で悩んでいる方がいたら、無理せず専門業者に相談することをお勧めします。安全かつ確実に問題を解決してくれるでしょう。