電気錠は非常に便利なシステムですが、電気製品である以上、トラブルが発生する可能性もゼロではありません。いざという時に慌てないために、起こりうる主なトラブルとその基本的な対処法、そして日頃からできるメンテナンスについて知っておきましょう。最も心配されるトラブルの一つが「停電」です。電気で動くシステムなので、停電したらどうなるのか不安に思う方も多いでしょう。電気錠の設計思想には、停電時に解錠される「フェイルセーフ」と、施錠状態を維持する「フェイルセキュア」の二種類があります。一般的に、非常口など避難経路の確保が優先される場所ではフェイルセーフ、防犯性を重視する玄関などではフェイルセキュアが採用される傾向にあります。フェイルセキュアの場合、停電しても施錠は維持されますが、外から入るためには非常用のシリンダー鍵が必要になることが多いです。また、停電対策としてバッテリー付きの電源装置を導入していれば、一定時間は通常通り動作します。次に多いのが「認証エラー」です。カードキーが反応しない、暗証番号を入力しても開かない、指紋が認識されないといったケースです。カードキーの場合は、カード自体の磁気不良やICチップの故障、あるいはリーダーの汚れや故障が考えられます。まずはカードやリーダーを清掃してみましょう。テンキーの場合は、入力ミスや、長年の使用によるボタンの接触不良などが原因として考えられます。指紋認証の場合は、指先の乾燥や汚れ、傷などによって認識しにくくなることがあります。指を清潔にしたり、少し湿らせてみたりすると改善することがあります。それでも解決しない場合は、専門業者への点検依頼が必要です。電池式の電気錠の場合は、「電池切れ」も発生します。多くの製品では、電池残量が少なくなると警告音やランプで知らせてくれる機能が付いています。警告が出たら、早めに指定された種類の電池に交換しましょう。完全に電池が切れてしまった場合でも、外部から一時的に電力を供給できる仕組み(非常用電源端子など)や、非常用シリンダー鍵で解錠できる製品がほとんどです。日頃のメンテナンスとしては、認証リーダーや錠本体の可動部周辺を定期的に清掃することが挙げられます。特に屋外に設置されている場合は、砂埃や雨水などが故障の原因となることがあります。
電気錠の困った解決策トラブルと対処法
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