結婚して半年、慣れない主夫業にもようやくリズムが掴めてきたある日の午後、事件はキッチンで起こった。夕食の準備をしようと蛇口をひねった瞬間、根元の接続部分からピューッと水が横向きに噴き出し、あっという間にシンク周りが水浸しになったのだ。どのトイレつまりに排水口交換した上尾市では、思考が停止した。テレビドラマでしか見たことのない光景が、今まさに目の前で繰り広げられている。共働きの妻はまだ仕事中。この家で、今この事態に対処できるのは、水道修理に関しては全くの素人である私しかいない。パニックになりかけた頭を必死で働かせ、「そうだ、元栓だ!」と思い出したのは、数日前にたまたま見ていた防災情報サイトのおかげだった。蛇口専門のチームが配管交換した水回りの井手町へ玄関横のパイプスペースの扉を震える手で開け、メーター横のバルブを力いっぱい回すと、キッチンからの悲鳴のような水音は、ようやく静寂を取り戻した。これが、私の長い午後の始まりだった。 元栓を閉めて一息ついたものの、問題は解決したわけではない。当然、家中の水が止まってしまったため、トイレも使えないし、手も洗えない。どの水漏れ専門チームで和歌山から水道修理しては一刻も早く専門家を呼ばなければ。スマートフォンを手に取り、「水道 修理 業者」と検索すると、画面には無数の業者がひしめき合っていた。「最短15分!」「基本料金500円!」という威勢の良い言葉が並ぶ中、どれを選べば良いのか全く見当がつかない。焦る気持ちを抑え、以前、引っ越しの際に不動産会社からもらった「くらしのガイド」という冊子に、提携の修理業者が載っていたことを思い出した。少し手間はかかったが、冊子を探し出し、そこに記載されていた業者に電話をかけることにした。少なくとも、正体不明のネット広告よりは信頼できるだろうという、消極的ながらも自分なりの判断だった。 電話口の女性は非常に落ち着いた口調で、私の拙い状況説明を辛抱強く聞いてくれた。そして、「元栓を閉めていただいたのは素晴らしい判断です。ご安心ください」という一言に、張り詰めていた気持ちが少しだけ和らいだのを覚えている。約一時間後、約束通りに到着した作業員の方は、清潔感のある身なりの、物腰の柔らかい男性だった。彼はまず名刺を差し出し、会社名と自分の名前を名乗った後、黙ってキッチンに向かうのではなく、リビングのテーブルで私に向き合った。「まず、作業を始める前に、どのような手順で点検し、どのような費用がかかる可能性があるかをご説明します。料金にご納得いただいてからでないと、作業は一切開始しませんのでご安心ください」。その言葉と姿勢に、私はこの業者を選んで正解だったと確信した。 点検の結果、原因は蛇口内部のパッキンの経年劣化と判明した。作業員の方は、交換するパッキンと、作業費、出張費を合わせた総額の見積書をタブレットで見せてくれた。金額は一万円弱。正直、安くはないと感じたが、料金の内訳は明瞭で、説明にも納得がいった。私が署名をすると、彼は手際よく工具を取り出し、あっという間に修理を終えてしまった。再び元栓を開け、蛇口から正常に水が出るのを確認した時の安堵感は、今でも忘れられない。最後に彼は、「パッキンは消耗品なので、また数年後には同じことが起こるかもしれません。他の場所も気になるようでしたら、いつでも点検にお伺いしますよ」と、今後のアドバイスまで残してくれた。今回の経験を通じて私が学んだのは、緊急時こそ、焦って目の前の安易な選択肢に飛びついてはいけないということだ。信頼できる情報源を頼ること、そして、料金や作業内容について、事前にきちんと説明を求めること。この二つの鉄則が、結果的に私たち消費者を守ってくれる。あの日の水漏れは、私にとって、ただのトラブルではなく、一家の主として、家族の生活を守るための危機管理能力を試される、初めての大きな試練だったのかもしれない。
わが家の水道修理駆け出し主夫の奮闘記